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「カロリーゼロ」には副作用がある。人工甘味料と糖質のはなし。



「カロリーゼロ」には副作用がある

医師・公衆衛生学修士



「甘み成分」は糖だけではない


人工甘味料はどんなもの?


100年以上前から存在する人工甘味料です。ネズミを使った研究でぼうこう癌の発症リスクがあるとされましたが、ヒトではその傾向は認められず「安全」と考えられています。

砂糖から作られたものですが、砂糖の一部が塩素に置き換わることで砂糖の600倍もの甘さが生まれます。もともと殺虫剤の原料として開発されたものですが、その後砂糖の代替品として使われるようになりました。

これらの人工甘味料は「糖質ゼロ」「カロリーゼロ」「〇〇レス」「糖分制限」「ダイエット〇〇」という表示されているほとんどのものに含まれています。具体的には、パンやホットケーキ、ヨーグルト、アイスクリーム、飴・ガム、ダイエットソーダ、炭酸水、プロテインバーなど様々な食品に人工甘味料は使われています。





人工甘味料の5つのデメリット


人工甘味料の最大のメリットは、これまで「健康」を気遣って制限していた食べ物・飲み物を気兼ねなく楽しめる点でしょう。しかし、人工甘味料の与える健康への悪影響も頭に入れておかなければいけません。人工甘味料の与える健康への悪影響は昔から懸念されており、人工甘味料に関する92%の論文でその有害作用について書かれていると言われています。(*1)その中には意外なものも。例えば、カロリーゼロならダイエットに役にたちそうと思いがちですが、体重が増える・糖尿病になる可能性がある、など予想に反する研究結果が報告されています。


以下に人工甘味料の代表的な5つのデメリットを解説します。


アスパルテームは体に入った直後に吸収・分解されフェニルアラニンになります。すると、急速に血中のフェニルアラニン濃度が上昇し、セロトニンなどの脳内伝達物質の分泌が阻害されることがわかっています。


人工甘味料の摂取により腸内に悪玉菌が増えると言われています。スクラロースのような人工甘味料は体内で消化吸収されないので小腸の壁を傷つけたり、善玉菌を減らしてしまいます。


腸内環境が悪化することで免疫力が落ちてしまうことがあります。

上記のような腸内細菌の変化に加え、人工甘味料の種類によっては、腸内のpHが上がりアルカリ性に傾くこともあります。腸内環境がアルカリ性であると、栄養素の吸収が落ちてしまいます。お通じの色が濃い茶色〜黒色の人は腸内がアルカリ性の可能性がありますのでご注意を!


人工甘味料とショ糖を食べた時の血糖値やインスリン感受性を調べたところ、人工甘味料を食べた時の方がショ糖を食べた時よりインスリンの感受性が23%減り、血糖値のピークが高くなってしまったという報告があります。これは、糖分の取りすぎによる血糖値の異常ではなく、人工甘味料が糖代謝に何らかの悪影響を及ぼすものと考えられています。


ヒトと動物の両方の実験結果から、人工甘味料を長く摂取していると体重増加と関連することがわかっています。一方、人工甘味料を使ったから体重が減った、という研究結果はほとんど存在しません。さらに、人工甘味料の使用はメタボ、糖尿病、高血圧、心疾患のリスクを高めると報告されています。





カロリーゼロなのになぜ太る?


人工甘味料はカロリーゼロや低カロリーが特徴なのになぜ太るの?という疑問がわくと思います。その答えは商品の表示についての規定にありました。食品の場合100mlまたは100gあたり5カロリー未満であればカロリーゼロと表示することが出来ます。


他の理由・インスリンの働きが悪くなる


食事などから摂取した糖質は、体内に入るとインスリンというホルモンにとらえられ、各細胞にエネルギー源として配られます。しかし入ってきたものすべてが配られるわけではなく1日の配分量が決まっているのです。もし多くとってしまった場合、糖質が体内で余り残りは全て脂肪細胞へと送られてしまいます。ですので糖質の摂りすぎは太ってしまうというのが自然の流れです。しかし人工甘味料は体内に糖質として感知されることがなく吸収されないため、1日経つと全てそのまま外へと排出されます。つまり体に取り込まれることが無いので、ダイエットに効果的とされてきました。では、なぜ太りやすいといわれるかと言うと、インスリンの働きが悪くなるからです。インスリンの仕事は体を維持していく為に必要な仕事なので毎日おこなわれていますが、継続して処理をしなくていい人工甘味料がやってくると、いざ糖質(甘み)が体内に入ってきても働く必要はないと勘違いをしてしまうのです。そうすることで、糖質は配分されずほとんどが脂肪へと変わってしまうため太りやすい体質になってしまうという説があります。



特殊な人工甘味料・エリスリトール


エリスリトールは、人工甘味料に分類される糖アルコールに所属する成分です。味噌やワイン、清酒をはじめとする発酵食品や、果物やキノコなどにも含まれる糖質を使用。抽出されたブドウ糖をもとに、発酵させることでエリスリトールは生まれます。


厚生省のエネルギー評価法で、糖質の中で唯一カロリーがゼロであるといわれており、砂糖の70%くらいの甘みでさっぱりした後味が特徴です。エリスリトールを含める糖アルコールは、甘みを持っていても虫歯をつくらないことで有名。虫歯のエサになる酸は砂糖などには含まれていますが、糖アルコールは酸をもっていませんし、作り出しません。

ですから、虫歯予防のお菓子とうたわれている商品には、糖アルコールが使われていることが多いのも特徴です。しかしこちらも人工甘味料の為、過剰摂取は禁物です。



人工?合成?糖アルコール?甘味料の種類について

人工甘味料の専門ページ 参照元




人工甘味料の代わりにこれを使おう!

ミラクルフルーツ との相乗効果!


上記の理由や栄養価の点から、より健康な天然甘味料を求めるのであれば、次の5つを日常生活に取り入れてみましょう。そしてミラクルフルーツ を摂取する事で、満足感と美味しさは更に増すでしょう。そしてミラクルフルーツ は、酸味を甘味に感じさせる為、実際の糖質は摂取しなくて済むわけです。そうなれば、カロリーもそもそもの糖質もコントロールできます。


ステビアはハーブの一種で2000年以上前から砂糖の代わりの甘味料として使われています。砂糖の200倍の甘さがあり、食後血糖を改善する作用があることがわかっています。熱でも変成しないため、加熱料理でもその効果を享受できます。


生ハチミツは酵素の他に、抗酸化物質やビタミン、ミネラルを含みます。これは加熱調理しないようにし、ヨーグルトに入れたりトーストに塗るようにして使うといいでしょう。


メープルシロップは24種類の抗酸化物質を含み、亜鉛やマグネシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含みます。加熱で変成しないためクッキーやケーキにも用いることができます。


ココナッツシュガーはビタミンとミネラル、短鎖脂肪酸やポリフェノールなどの抗酸化物質、食物繊維を含みます。これはテーブル砂糖の代替として使うことができます。


モラセスはテーブル砂糖と比べ非常に栄養価の高い生砂糖になります。ハチミツなどと比べてポリフェノール含有量が多く抗酸化力も強いことが特徴です。


* * *

以上、人工甘味料の現状と健康への悪影響、人工甘味料の代わりに使える栄養価の高い天然甘味料について解説しました。人工甘味料のおかげでこれまで我慢していたものが食べられるようになったり、新しい味の商品が開発されたりと我々の食生活を豊かにしてくれているのは事実です。そして、「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」を選ぶことで健康に気を使っていると感じている人も多いでしょう。しかし、人工甘味料はダイエットにいいどころか体重を増やすこともありますし、その他様々な健康への悪影響があることを忘れないでください。人工甘味料のいい面・悪い面を理解し、「カロリーゼロ」に頼るのもほどほどに、自己管理の意識をあげましょう。



【参考文献】

1.BMJ 2005; 330: 309-10

2.Neurotoxicology. 1994; 15: 535-44

3.J Toxicol Environ Health A 2008; 71: 1415-29

4.Diabetes Care 2009: 32; 688-94

5.N Engl J Med. 2012: 367; 1397-1440

6.Oncol Rep 2015; 33: 1579-84


参照元 サライ.JP



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